フィトケミカルとは?緑黄色野菜に含まれる?カロテノイドとは?

最近テレビや雑誌などでも見るようになったフィトケミカル(ファイトケミカル)という言葉。
第7の栄養素と言われ、注目されています。
今回は、フィトケミカルについてご説明いたします!

 

フィトケミカルとは?


フィトケミカルやファイトケミカルとは、第7の栄養素と言われているものです。
植物は動物のように、自ら生活しやすい場所に移動することができず、また、強い太陽光線や害虫などのストレスに常にさらされています。
植物がそのような環境で生き抜けるのは、防御システムのおかげです。

光合成をおこなう際に、糖分の一部が変化して化学物質を発生させ、身を守っています。
これがフィトケミカルです。

色素、香り、灰汁などに含まれており、その種類は約1万以上あると言われ、現在では約1,500種類ほど解明されています。

 

フィトケミカルの特徴は?


フィトケミカルの最大の特徴は、抗酸化作用です。
活性酸素(フリーラジカル)を防御、除去する抗酸化力が強いことから、健康を守る効果や肌を若々しく保つ効果が期待できます。
カロテノイド、ポリフェノール、フラボノイドも、フィトケミカルです
特に、緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドについて、詳しく説明していきます。

 

緑黄色野菜とは?


緑黄色野菜とは、赤や黄色、緑色をした色の濃い野菜のことを呼びます。
厚生労働省では、可食部100g当たりカロテン含量600μg以上の野菜が緑黄色野菜と定義づけられています。

以前、野菜には旬があるので、旬の野菜をその旬に食べるという話をしましたが、緑黄色野菜にも旬があり、季節によって並ぶ野菜は異なり、効果もそれぞれ違います。
よく食卓に並ぶ野菜ですと、

 

春:アスパラガス、菜の花、かぶの葉、せり
デトックス効果

夏:かぼちゃ、ズッキーニ、オクラ、ニラ、トマト、パプリカ、しそ、いんげん
火照った体を冷やしてくれる効果

秋:にんじん、ほうれん草、さつまいも、ブロッコリー
夏の疲れを改善してくれる効果

冬:小松菜、ほうれん草、春菊、にんじん、ブロッコリー
体を温めてくれる効果

 

などがあります。
そのままでも、温野菜や蒸し野菜にするなどでも、比較的調理しやすいものが多いと思います。

 

日本は野菜や果物が豊富であると言われています。
つまりその分、旬のものの数も多いということです。
このような恵まれた国は、他にはあまりないと思います。

オーストラリアを例にあげますが、野菜や果物が日本のように豊富ではないため、収穫時期にとれたものを冷凍保存し、店頭では一年中同じものを売っているそうです。
(つまり、栄養価がかなり失われてしまったものが売られているということです…。)

 

カロテノイドとは?効果は?


カロテノイドとは、赤や黄色、緑色をした緑黄色野菜や、果物に含まれる色素成分の総称のことです。
β-カロテン、リコピン、ルテインなど、様々な種類があります。

カロテノイドを摂ることは、女性には嬉しいメリットがあるのを知っていますか?

 

健康的でツヤのある肌を作る効果
これは、研究論文で発表されています。
論文によると、野菜や果物を多く食べた人の肌は健康的でツヤと輝きがあり、血液中のカロテノイドの数値が高かったと発表しています。
抗酸化成分であるカロテノイドは、皮下脂肪に蓄えられた後、皮脂として分泌され、皮膚の最も上の層に吸収されることによって、健康的な輝きを放つということのようです。

この作用を「カロテノイドグロウ」と呼んでいます。
異性を惹きつけるほんのりバラ色の自然な肌になるので、女性としての魅力がアップします。

乳がんになるリスクが軽減される
2012年ハーバード大学で発表された論文によると、カロテノイド値が高かった上位20%の女性は、カロテノイド値が最も低かったグループの女性と比べ、乳がんになるリスクが15~20%低かったというのです。

これは、カロテノイドが体内でレチノール(ビタミンA)に変換され、細胞の成長や遺伝子発現に影響を与え、腫瘍の成長を抑制することで、乳がんのリスクが間接的に抑えられたものだと考えられています。

また、カロテノイドが細胞間のコミュニケーションを促し、免疫系の働きを強化して、体内で異常に成長する細胞を抑制する手助けをすることも、関係していると考えられています。

他にも、目尻のシワができにくい肌の日焼けを防ぐ「食べる日焼け止め」の効果も期待できるようです。

ここで気を付けていただきたいのは、抗酸化物質の効果の多くは数時間しかもたないということです。
そのため、一日1回だけではなく、毎食取り入れることを目標にしましょう。

 

野菜が日焼けしない理由とは?


先ほどの説明で、抗酸化作用があるから積極的に食べた方がいいというのは分かったかと思いますが、そもそも野菜がなんであんなに日に当たっているのに、日焼けしないで鮮やかな色を維持できているか分かりますか?
野菜や果物には人間と同じように紫外線から身を守る必要があります。
守るために「皮」があります。
皮がなかったら、すぐに腐ってしまうのは想像できますよね。
皮には外界の刺激から実を守る役割、創傷治癒効果などがあります。

当然ですが、遮るものがないので、私たち以上に日の光を浴びています。
特に夏なんて、日差しも強く、暑いし、遮るものがないところに収穫されるまで24時間毎日いるなんて…考えるだけでも過酷ですよね。

それでも、細胞が破壊されないのは、それだけ多くの抗酸化成分が含まれているということです。
先ほど説明した、色素成分であるポリフェノールやカロテノイドなどのフィトケミカルは、主に皮の部分に多く含まれています。

今回は夏野菜をいくつか例を挙げましょう。

 

トマトに含まれるリコピン

トマトが赤いのはこのリコピンによるもの。
リコピンには強い抗酸化力があり、その強さはビタミンEの約100倍以上とも言われています。

ナスに含まれるナスニン(アントシアニンの一種)

ナスニンとは紫色のポリフェノールのこと。
これにも強い抗酸化作用があり、紫外線や菌から身を守っています。

ズッキーニに含まれるβ-カロテン

カロテノイドが豊富で、同じβ-カロテンを豊富に含む人参よりも抗酸化力が高いと言われています。
β-カロテンは緑黄色野菜に多く含まれているのが特徴です。

 

強い抗酸化力のある成分のおかげで、それぞれの野菜は色を維持でき、色鮮やかになります。
他にも、カボチャにもβ-カロテンが豊富であり、カボチャにはβ-カロテンの他にゼアキサンチンも含まれていて、ゼアキサンチンはとうもろこしにも多く含まれている黄色のカロテノイドです。
これは、目を紫外線によるダメージから守ると考えられています。

特に夏野菜に色が濃いものが多いのは、それだけカロテノイドなどを豊富に含んでいるからだということです。
色の濃さが抗酸化作用の強さを意味するのであれば、夏野菜が紫外線対策になるというのも納得できます。
旬のものをその旬に食べるという意味、少しは分かっていただけましたでしょうか?

 

まとめ
●緑黄色野菜の抗酸化作用のあるカロテノイド(フィトケミカルの一つ)が豊富。
●抗酸化物質は数時間しか持たないので、毎食摂り入れる。

 

ワイルドクラフトの野菜や果物は、農薬・化学肥料・有機肥料を一切使わない無農薬・自然農の自然栽培方法を用いて、野生の生態系に近い環境の中でできたものです。
(詳しくはこちら
身体に悪いものがないので、余すことなく食べることができます。

また、日本には季節に合った調理方法があるのも、素晴らしい文化だと思います。
体を温めるために、旬の野菜を使って煮物やお鍋にしたり、火照った体を冷やすためには、夏野菜のおひたしなどがあります。
栄養価の高い旬の野菜と、余すことなく食べられるワイルドクラフトの野菜を、たくさん摂って栄養素をしっかり補いましょう。