野菜と果物の決定的な違いとは?果物の食べ過ぎは逆に不健康?

野菜と果物の違いは何ですか?と聞かれると、甘いか甘くない、と答えるのが一番多いような気がします。

ちゃんと答えられる人はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。
今回は野菜と果物の違いや、聞かれると意外に答えられない野菜のことをご説明いたします!

 

野菜と果物の違いとは?


野菜と果物の決定的な違いには、蓚酸(しゅうさん)が入っているか入っていないかです。
蓚酸と聞いてもあまりピンとこないのではないでしょうか。

蓚酸とは、簡単に言うと野菜の灰汁のこと。
そのまま何もしないで食べれば毒ですが、熱に弱く、水に溶けやすい性質を持っているので、茹でたり水洗いしたりすれば、大抵落とすことができます。
私たちは毎日野菜を食べても体調を崩すことはありませんよね。

灰汁については、フィトケミカルのところで触れましたが、
野菜の防御システムの一つです。
食べられたくないという抵抗なのでしょう。

では、果物はどうでしょうか。
りんごなど、物によっては、皮ごと食べてしまうものもあります。

野生の動物を例に出してみましょう。
動物は、果物を丸ごと食べて、遠く離れた所で、糞と共に消化されなかった種を落とします。
糞と一緒に落とされた種が、その場所で育ち、やがて実をつけます。
動物によって運ばれなかった実(種)は親である木の下に落ちますが、そこには親の木があるため、その場所で育つことは難しい。
つまり、果物は、自分の実(種)をできるだけ遠くに、そして栄養(糞など)と一緒に種を植え付けたいという思いから、甘い匂いを出したり、鮮やかな色で遠くからでも見つけやすいよう、甘く美味しい実をつけるんです。
その点、野菜は種を運んでもらって、育たせるということをほとんどしません。

果物のことを、「青い」「硬い」「まだ熟れていない」などと表現することがあります。
このように言われているものを食べても、美味しくはありません。
それは、まだ種が出来上がっていない状態だからです。
もう少し経つと「赤く」「柔らかく」「熟れる」と変わっていきます。
つまり、種の準備ができた時期、これこそが果物の旬、食べ頃、というわけです。

野菜はというと、食べられたくないという思いから、一番栄養のある根は敵に見つからないように土の中にあります。
そのまま何の下処理をしないで食べると、体調を崩してしまうものもありますね。

果物は「食べられたいもの」、野菜は「食べられたくないもの」というところが大きな違いかもしれません。

 

植物の防御作用が人には効果的?


先ほど、果物について説明しましたが、果物以外にも防御システムを持つものはたくさんいます。
普段、何も気にしないで食べていたり、飲んだりしているもの中には、植物の持つ身を守るための毒があります。
いくつか例をあげましょう。

 

緑茶


お茶の葉には、ハマキガという蛾の幼虫がいます。
お茶の葉にはタンニンという消化吸収障害を起こさせる成分があり、これがあるから虫に食べられずに済んでいます。
タンニンとは、お茶の渋みとなる成分で有名ですね。
お腹いっぱい食べた後や、和菓子などと一緒に緑茶を飲むとすっきりするのは、血糖値を下げる効果があるためです。
そのため、痩身効果肥満防止と言われています。
しかし、血糖値を下げるので、空腹時に飲むと低血糖を起こすので、くれぐれも空腹時は避けて下さい

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豆に含まれているレクチンは、血液を固まらせて、消化不良、嘔吐、下痢などの食中毒の症状を招く成分です。
だから、豆は水に漬けたり、何度も煮こぼしたり、何度も水を替えて煮直したりして、レクチンを取り除きます。
豆は種。
種がないと子孫を残せません。
その種を存続させる、次の世代を作るために、豆はレクチンという成分で身を守っています。

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梅干しの種


梅干しの中心の白い部分には、アミグダリンという青酸配糖体が含まれています。
アミグダリンは、胃腸の中で分解されると、猛毒のシアン化合物(青酸)となり、頭痛、腹痛、嘔吐などの中毒症状を引き起こすことがあります。
ひどい場合、呼吸困難、けいれんなどを起こして死に至ることもあります。
アミグダリンは、スモモやビワにも含まれています。

種は命のもと、子孫を残すために・・・
食べられないように、植物は知恵を絞っている証拠ですね。

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農園の一部のみを区切って無農薬で栽培するのとは違って、農園全てで無農薬、無肥料栽培を行う。

 

種を食べないものもありますが、このように私たちは地球に存在する様々なものの命を頂いているということは常に頭に入れておかないといけませんね。

 

果物の食べ過ぎはよくない?果糖とは?


果物は身体に良いから、いくらでも食べてもいいと思っている方も多いと思います。
果物には果糖が多く含まれています。
字を見て分かるように、糖。
つまり砂糖の、糖ですね。
もちろん糖なので、食べ過ぎれば太りますし、病気にもなることはあります。

果糖とはフルクトースとも呼ばれ、果物や蜂蜜などに含まれる天然の糖分のことで、天然に存在する糖の中で、最も甘くコクがあり、冷やすことで更に甘味が増すという性質があります。
そのため、清涼飲料水や乳酸菌飲料、100%ではないジュース、アイスクリームなどに入っています。
しかし、果糖は砂糖の1,15~1,73倍も甘いため、依存症になりやすいリスクのあるものです。
また、果糖はブドウ糖と比べると腸管での吸収が遅く、消化管で吸収された後、肝臓で代謝されます。
インスリンを必要としないので、急な血糖値の上昇はありませんが、肝臓で中性脂肪などに変換されるので、多量にとると中性脂肪の蓄積を招き、コレステロールの合成を促進させたりします。
また、ブドウ糖と違って果糖は脳を働かせるものでもありませんので、脳を活性化させることはありません。

しかし、果物には果糖だけでなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルなどの成分も含んでいるので、摂った方がいいものではありますし、食後の果糖は便をやわらかくする作用があるので、食後に適量食べる分には問題ありません。
ただ、野菜の中でも根菜類は果糖を含んでいるので、無理やり果物を食べる必要はありません。
果糖を含むジュースなどはなるべく口にいれないようにはしましょう。

 

まとめ
●果物と野菜の違いは蓚酸(灰汁)が入っているかいないか。
●植物の防御作用は、私たちにとってプラスにもマイナスにもなる。
●果物の糖は天然のものとは言え、食べ過ぎてしまえば太る。

 

今の20代、30代は、小さい頃にこたつを囲んでミカンやりんごを食べる習慣がなく、またおやつの選択肢も多くありました。
そのため、わざわざ果物の皮を剥いて食べるということが億劫になり、年をとってもそれは変わらないと言われています。
現在では、見た目がまるで置物のようなものや、甘すぎるくらい甘いものなど、品種改良されたものが多く出回っているので、それを食べるくらいなら食べなくてもいいと思います。
また、ダイエット中に、一食を果物だけにする人もいらっしゃいますが、中性脂肪が溜まり、痩せるどころか太ってしまう可能性もあります。
食べ過ぎはよくないと言いますが、果物も同じです。
上手に取り入れていけるといいですね。