マイクロビーズとは?プラスチックは地球だけでなく人体にも悪影響が

ペットボトル、お弁当の容器、コンビニやスーパーのレジ袋など。
プラスチックは私たちの生活には必要不可欠なものです。

先日、個人経営のパン屋さんで食パンを買ったところ、袋代に20円かかると言われました。
チェーン店だけでなく個人店でも意識が変わってきているのだなと感じ、袋はもらわず手持ちのエコバックに詰め込みました。

度々、海辺に漂流した大量のプラスチックのゴミの山をニュースで見ることがあるのではないでしょうか。
調べてみると、プラスチックは毎日使う化粧品の中にも入っていたのです。
知らずに当たり前に使っているなんて怖いですよね・・・。

今回は、プラスチックについてご説明いたします!

プラスチックとは?


人工的に合成された高分子物質で可塑性があるものと定義されています。
そんな、プラスチックの生産が始まったのは1950年代から。
全世界で年間約4億トンものプラスチックが生産され、そのうち約半分がコンビニの弁当箱やスーパーの袋などの、使い捨て容器・包装です。

現在までに、生産量は83億トンを超え、63億トンがゴミとして廃棄されています。
回収されたプラスチックごみの79%が埋め立て、あるいは海などへ廃棄されています。
リサイクルできたプラスチックは、わずか9%
このままでは、2050年までに120億トン以上のプラスチックが埋め立てや自然廃棄されると考えられています。

今や生活の必需品となっているプラスチック。
パッケージの裏面を見ると、「プラマーク」や「PE(ポリエチレン)「PP(ポリプロピレン)」「PET(ポリエチレンテレフタレート)」「PMMA(ポリメチルメタクリレート/ポリメタクリル酸メチル)」などの表記を見たことがあるかと思います。
分かっているもので67種類。
これがプラスチックです。

プラスチック製造には、柔らかくする、燃えにくくするためといった目的でいくつもの添加剤が使われています
特に、ペットボトルの蓋などに使われる「ノニルフェノール」は、体内に入るとホルモンを分泌する器官に有害な影響を与える環境ホルモンの一種です。
アメリカの研究者の実験で、乳がん細胞の異常増殖を引き起こす原因であること、ヨーロッパで行われた調査の結果では、男性の精子数が減少傾向にあると明らかにされていて、その原因の1つがプラスチックの添加剤だとも疑われています。

生産されたプラスチックの2〜5パーセントが海に入り、そこで廃棄物が細かく砕かれて魚などの海洋動物によって取り込まれ、食物連鎖を通じて人々に届くことができることは容易に想像できます。

余談ですが、先日、水族館に行ってきたのですが、ウミガメのお腹の中から見つかったプラスチックが展示されていて、衝撃を受けました。
人間以外の生き物はそれが体に悪いものかどうか分からず口に入れてしまいます。
それが体内に溜まり、最悪の場合死んでしまうこともありますし、ゴミが大量にあっては産卵ができない、孵化できないなどの問題もあります。
生態系バランスが崩れるとはこういうことかと、私自身、身をもって体感しました・・・。
亜熱帯の海。その再現が大自然の驚異と環境保全の大切さを教えている。

マイクロビーズとは?


統一した定義はありませんが、5mmより小さいサイズのプラスチック粒子は「マイクロビーズ」や「マイクロプラスチック」と言われます。
スクラブや洗顔料、歯磨き粉などの化粧品の中に含まれており、国内では年間数百トンの消費、オーガニック先進国のドイツでも年間922トンもが使われています。

マイクロビーズの主な効果は剥離性。
スクラブ洗顔や歯磨き後に、水で洗い流します。
大きな粒子であれば流されることはないのですが、マイクロビーズは、粒が小さすぎるためにフィルターを通り抜け、下水を経て海へと排出されてしまいます。
それを魚などが食べて、その魚を私たち人間が食べているというわけです。

他にも、二次的マイクロプラスチックというものもあります。
大きいサイズのプラスチックが時間をかけて砕かれ細分化され、マイクロビーズになったものを指します。
これも、化粧品に含まれるマイクロビーズと同様、海に流れ込み、最終的に私たちの身体の中に入ってくるのです。

ウィーン医科大学による調査で、マイクロビーズが人間の便の中で初めて発見されたというニュースを読みましたか?
Mikroplastik in Kosmetik
調査参加者は、フィンランド、オランダ、イギリス、イタリア、ポーランド、ロシア、日本、オーストリアに住む33歳から65歳までの5人の女性と3人の男性。
参加者全員が、プラスチックに入った食べ物を食べ、ペットボトルの飲み物を飲み、ほとんどの人が魚やシーフードを食べています。ベジタリアンは誰一人いません。
その参加者全員の便から0,05~0,5mmのマイクロビーズが検出され、平均すると10グラムあたり平均20個のマイクロビーズが検出されたと言います。
世界中どこにいてもプラスチック(マイクロビーズ)で溢れていることが分かります。

イギリスでは、2018年7月1日からマイクロビーズの製造・販売を禁止。
インドでは、2016年3月からプラスチックの使用を完全禁止。
各国でも、対応がなされ始めています。
それほど、深刻な問題なのです。

各企業の対策は?


2017年6月 国連海洋会議で、環境破壊に関する初の国連会議が開かれ、「ビニール袋や使い捨てのプラスチック製品をはじめ、プラスチックとマイクロプラスチックの利用を減らすための長期的かつ本格的な戦略を実施する」と全会一致。
他にも、海洋ごみ問題については全世界で対策を呼び掛けています。

2016年3月 日本化粧品工業連合会では会員である化粧品関連メーカーに自主規制を呼びかけ、使用を取りやめていますが、あくまでも自主規制なので、完全に0にすることはできていません。
2020年の東京オリンピックでは海外からの旅行客も増えます。
日本は遅れていると思われないか心配です・・・。

ここに挙げるのは一例ですが、各企業が環境保全について何らかの取り組みをしているのは分かります。
今後、他の企業がどのような取り組みをしていくのか見ものです!

花王 マイクロプラスチックビーズへの対応

KOSE(コーセー) マイクロプラスチックビーズへの対応

LUSH 地球から生まれ、地球に還るグリッター

mandom(マンダム) マイクロプラスチックビーズ使用中止の方針

資生堂 マイクロプラスチックビーズへの対応

スターバックス スタバ、プラスチック製ストローを廃止 2020年までに

マルエツ お買物袋持参運動(レジ袋削減への取組み) 

西友(SEIYU) 西友、7/10から全店で「レジ袋有料化」開始–“マイバッグ持参2円引き”は中止

気になるメーカーや企業、自分がよく行くスーパーでどのような取り組みが行われているか調べてみるのも、おもしろいですよ。

自分でできる対策とは?


①エコバックを持ち歩く。過剰包装のものは選ばない。
お店によっては、「袋入りません」で2円引きなどの割引をしているお店もあります。
一年間もらわなければ、年間で730円。ランチ代くらいにはなります。
また、最近ではトレーに入っておらず、袋に入ったお肉などをよく見かけます。
トレーをリサイクルボックスに持っていくのであれば良いと思いますが、できないようであれば簡易包装しているものを選びましょう。
プラスチック飲料も同じです。
タンブラーなどのマイボトルを持ち歩けば、いつでも温かい(冷たい)ものが飲めますし、節約にもなりますね。

②マイクロビーズの入った化粧品は使用しない。
マイクロビーズを天然素材に切り替えた商品が多くなってきました。
使用感に大差はないので、マイクロビーズの入っているものは体のためにも地球のためにも避けましょう。

③詰め替え品を選ぶ。
シャンプーやボディーソープ、洗剤などには詰め替え品があります。
使い終わったボトルをしっかり洗って、乾燥させてから使えば、容器の中の雑菌が増えることもありません。
よく詰め替え品は2回分とか3回分とか多めに入っていますよね。
上手に活用しましょう。

④リサイクルする。
資源ごみとして出したり、スーパーなどのリサイクルボックスに入れる、ゴミの分別も大事なことです。
リサイクルされたものは再びプラスチック製品や化学製品の原料(ペレット)として活用されます。
もちろん、エネルギー使用量、二酸化炭素の発生を減らすこともできます。

⑤ポイ捨てをしない。
ポイ捨てされたゴミは、風に乗って、雨に流され、海へと流れつき、海を漂います。
タバコも同じで、フィルターにはプラスチックが使われています。
どんなゴミでも、ゴミ箱に捨てる。
当たり前のことなのに、街中を見ると当たり前ではないのが現状です。
ハロウィン後の渋谷、お花見後の公園などの悲惨な状態がニュースで流れますが、最後まで責任を持てない姿に悲しくなります。

一人一人の意識はもちろん、日本も海外を見習って国がしっかりとした対策を示し、企業がそれを行う。
そうすれば自ずと自分の意識も変わってくる、そしてそれが当たり前になってくると思います。

自分の行いが自分に帰ってくる・・・
そんな意識を持ってもらいたいですね。

まとめ
●プラスチック製品が、乳がんや生殖機能に支障をきたす。
●世界で、プラスチックの製造使用の禁止が始まっている。
●余計なプラスチック製品を増やさない。もらわない。