お料理に合わせてワインを飲む方、家にワインセラーを置くほどワインが大好きな方、ワイン好きな方はとことん美味しいワインを極めるイメージがありますが、ワインを選ぶポイントはなんでしょうか?
ワインは抗酸化作用のあるポリフェノールが多いので、体にいいものだと思われていますが、腐らせないために防腐剤が入っているので、本当のところどうなの?と疑問を持った方もいるはず…。
無添加ワインなら安心、オーガニックワインなら安心と思っている方、それはちょっと違うかも?
今回はそんなワインについてご説明いたします!
ワインとは?
ワインとは葡萄の実を摘み潰して、皮に住む酵素によって発酵させたものです。
集められた実は、水洗いはしません。
つまり、化学肥料や農薬などを使っている場合、全く洗い流されず、そのままワインになってしまいます。
以前、残留農薬のところでお話しましたが、ぶどうは残留農薬が多い食材のひとつです。
しかし、
①果実が傷むため
②果汁が流れてしまうため
③高めた糖度も水に溶けてしまうため
④酵素が流されてしまい、発酵できなくなってしまうため
といった理由により、水洗いすることができません。
この時点で、どのように栽培されたか分からない葡萄からできたワインは、大量生産であるために、化学肥料や農薬を使用している可能性が高いということ。
つまり、安価なものが多いということが分かると思います。
ワインの中にも色々な種類があります。
種類によってワインの作り方は異なります。
よく飲まれる赤ワイン、白ワイン、ロゼワイン、スパークリングワインの作り方をご紹介します。
赤ワイン
実、種、皮が入ったまま、発酵槽で発酵させます。(主発酵)
皮ごと発酵させるので、皮の色素が溶け出し、種のタンニンが、発酵でできたアルコールによって抽出されます。
その後、皮、種、澱(おり)を取り除き、更に発酵させます。(後発酵)
後発酵の後、樽やステンレス槽で熟成させ、濾過して、イオウの煙を吹き込み瓶詰めします。
白ワイン
果汁だけを発酵させます。
15~20℃の低温の発酵槽で主発酵させ、熟成させます。
その後、濾過して、イオウの煙を吹き込み瓶詰めします。
ロゼワイン
赤ワインと同様に仕込み、アルコールの抽出を始めて液が適度に色づいたら皮、種を取り除きます。
温度管理が難しく色や香りが変わりやすいので、瓶詰め前に糖分を加えることが多いです。
スパークリングワイン(発泡ワイン)
白ワインと同様に、果汁だけを発酵させます。
夏の太陽を浴びていない葡萄は糖分が高くないため、糖分を加えます。
糖分を加えることで、発酵でアルコールへと変わるので、甘味が出ます。
その後、瓶詰めをして更に発酵させます。
瓶詰めをしていても発酵しているので、シュワシュワと炭酸があります。
赤ワイン、ロゼワインは皮ごと使っているので、特に選ぶ際に注意する必要がありそうです。
ワインに含まれる酸化防止剤とは?
頭痛の原因?
ワインには、フィトケミカルである抗酸化作用の強いポリフェノールが多く含まれていますが、酸化が進むにつれ、雑菌が繁殖しワインの品質が劣ってきてしまうので、酸化防止剤を使う必要があります。
・二酸化イオウ(イオウの煙)
ワインのラベルを見るとよく書かれている酸化防止剤(亜硫酸塩)は、硫黄を燃やした煙「二酸化イオウ」のことです。
二酸化イオウには、
①雑菌排除・酵母抑制:殺菌効果により、果汁に含まれている雑菌を殺す
③酸化防止:水に溶けると還元作用のある亜硫酸となり酸化を防ぐ
この2つの作用があります。
輸送や保管をより容易にするために、色、味、香りを守るためにも二酸化イオウは必要になります。
しかし、二酸化イオウは、亜硫酸ガスとも呼ばれていて、大気汚染の原因となる物質です。
オーガニックワインでも、残留濃度が通常のワインより少ないとは言え、入っています。
海外で作られたオーガニックワインは輸送される際に、多くのCO²が排出されるので、人間にとっても環境にとっても優しいワインかと言うと、そうではないような気がします。
・メタ重亜硫酸カリウム(メタカリ)
メタカリを入れることで化学反応を起こし、二酸化イオウを発生させ、酸化を防ぎます。
しかし、香りを損ねること、分子レベルまで入り込むので、ワインの中に大量に残留してしまいます。
また、使用許容量が日本の厚生労働省が350mg/リットルなのに比べ、EU基準は赤ワインが160mg、白ワインが210mgと、日本の許容量は約倍になっています。
海外で作られても輸出する国の基準に合わせて作られるので、海外製だからと安心はできません。
ワインを飲むと頭が痛くなる、胃が痛くなるという方がいらっしゃいますが、その原因は二酸化イオウやメタカリのせいだという説もあります。
(マロラクティック発酵という工程で発生する、血管を拡張させる作用を持つ「ヒスタミン」や血管を収縮させる作用を持つ「チラミン」が原因ではないかという説もあります。)
原因はまだ解明されていないようですが、酸化防止剤のせいだと言われている説があるということは、人間の身体が拒否反応を示していると考えてもいいような気がします。
ワインに含まれる保存料とは?
ジュースやお茶に含まれるビタミンCの正体とは?
輸入の時、少しでも値段を抑えるために温度管理が雑になっているのが現状です。
そのためには、大量の保存料が必要になってきます。
・ソルビン酸
細菌やカビの発生・増殖を抑える働きがあるため腐敗防止として多くの食品の殺菌剤として用いられます。
分解して異臭を発生させたり、他の物質との複合摂取により発がん性が危惧されています。
・アスコルビン酸
ビタミンCのことでもあります。
合成した化学物質で、色や味わいに影響します。
日本のジュースなどにもよくビタミンCの表示があり、ビタミンCを摂れると勘違いする方が多いですが、体にいいどころか悪いものです。
ビタミンCはとても酸化しやすい物質で、食品などに混ぜることで最初に酸化し、他の素材の酸化を防いでくれます。
酸化防止剤として添加されるビタミンCは、消費者の口へ運ばれる前に、既に酸化しているものです。
酸化したビタミンCを体内に入れると、今度は還元作用が働き、体内の電子が奪われ活性酸素が発生し体を傷つけてしまいます。
ワインだけではなく、コンビニなどで気軽に買うことのできるお茶やジュースにも気を付けなくてはなりません。
成分表に書かれているビタミンCが保存料であることの認識がまだまだ薄いということなのでしょうか。
せっかく抗酸化に優れているポリフェノールが豊富でも、保存料のビタミンCのせいで抗酸化作用の意味がなくなってしまいそうです…。
添加物不使用のおすすめペットボトル飲料
ちなみに、ビタミンCなどの添加物を一切加えていないお茶は、コンビニやスーパーで買うことができますので、見つけたら是非買ってみて下さい。
株式会社遠藤製餡
→【有機JAS認定商品のあずき美人茶】はこちら
主原材料:有機小豆
賞味期間:(メーカー製造日より)270日
伊藤園
→【無添加LIFE ルイボスティー】はこちら
原材料名:ルイボス
賞味期間:(メーカー製造日より)9カ月
無添加ワインとは?
では、保存料などの添加物を避けるのであれば、無添加ワインを選べばいいと思うと思います。
無添加ワインとは、殺菌や液中成分の除去などに様々な技術を駆使したり、発酵をコントロールするために酵素を使用したりしています。
雑菌や酸化変質する物質の除去にはマイクロフィルターを使い、濾過します。
微発酵や酸化変質を防ぐために加熱処理していることなんかもあるようです。
加熱処理すれば、もちろん味や香りが変わってしまいますし、酵素が死んでしまうので、ワインとしての熟成は行われることはありません。
安くておいしいワインの正体とは?
コンビニでは1,000円以下のワインがたくさん並んでいます。
味も香りもよくてコストパフォーマンスがいいと言われていますが、その美味しさは何か知っていますか?
化学肥料、農薬、除草剤の使用で土が弱く固くなり、ぶどうの品質が落ちてきてしまっています。
そんなワインを美味しく見せるために、高級なワインや有名なワインの香料を加えているので、本来のワインの味や風味ではありません。
香料のおかげなんです。
また、農薬を使うことで皮に住む酵素も死んでしまうので、発酵をコントロールするために酵素も使っています。
ヨーロッパでは、酒類は大蔵省の管轄のために、原材料表示の義務がないため、あまり知られていないのが現状です。
もはやワインの味をした、人工的なぶどう味のお酒といった感じですね。
化学肥料、農薬、除草剤を使えば大量生産できるということは分かると思いますが、土には大きなダメージを与え、それが元に戻るのには何十年(それ以上?)もかかります。
樹木の周りに雑草があると栄養を吸われてしまい、バランスが崩れてしまうので化学肥料を使います。
その雑草を無くすために除草剤を使います。
しかし、雑草がいないと害虫や病原微生物の天敵となる雑草がいないので、異常繁殖してしまいます。
その病害虫などを駆除するために農薬を使います。
その結果、土に栄養や空気を与えていた微生物も死んでしまいます。
栄養を作り出せないため、また化学肥料を使う・・・と悪循環になってしまいます。
良い土とは、生態系のバランスが整っている土のことです。
生態系がしっかりしていれば、害虫などは発生しません。
化学物質を使うと生態系が狂い、病害虫が発生するんです。
人間のその場しか考えない行動が、何倍にも悪い状態になって帰ってくるなんて、その時は考えもしなかったと思います。
オーガニックワインとは?
オーガニックワインとは、オーガニック農業で栽培したぶどうから造ったワインのことです。
メタカリなどの保存料、色素安定剤、香料不使用であり、味・色・香りの補正は禁止されていますが、二酸化イオウを少量使用することは許可されています。
オーガニック原料を使っていればオーガニックコスメと呼ぶことができるように、オーガニックワインも少なからず酸化防止剤が入っているので、絶対安心とは中々言えないような気がします。
現時点では、美味しいワインを作る上で、酸化防止剤は必要不可欠なようですので、結局のところ飲む方の判断に委ねるといった感じです。
ワイルドクラフトのワインはないかと思い探しましたが、ワイルドクラフトのぶどうは使っているけれど、酸化防止剤などは入っていないワインは見つけることができませんでした。
やはり、酸化防止剤は今の技術では不可欠なんでしょう…。
使用するぶどうはワイルドクラフトのものというものを見つけましたので、少しご紹介します。
KURAMBON WINE
→【KURAMBON WINE】はこちら
自然栽培でぶどうを育て、最小限の濾過(場合によっては無濾過)で瓶詰めされています。
(酸化防止剤(亜硫酸塩)が入っています。)
ROBERT MONDAVI(ロバート・モンダヴィ)
→【ROBERT MONDAVI】はこちら
自然環境およびそこに棲息する動物たちを保護するために、自然との調和を大切にした革新的なナチュラル・ファーミング(自然農法)を採用しています。
(酸化防止剤(亜硫酸塩)が入っています。)
ビオディナミワイン=自然派ワインとは?
オーガニックに当てはまらない、自然派ワインと呼ばれるものが、ビオディナミワインです。
ビオディナミとは、ドイツの哲学者ルドルフ・シュタイナーが提唱した自然派主義生活のことで、それに基づく農業のことです。
ドイツのオーガニック認定機関であるDemeterがビオディナミの認証をしていますが、法律の規定がなく、認証がなくても使用することができます。
実際には様々な添加物が入っていたり、人工的に味・色・香りの補正が行われているようです。
このように色々とワインについて調べてみましたが、今の技術では中々酸化防止剤や添加物を一切なくした、ワイルドクラフトのワインの製造は難しいのかもしれません。
ただでさえ、ワイルドクラフトのぶどうは少ないので無理ないかもしれませんが・・・。
まとめ
●今の技術では酸化を防ぐためには酸化防止剤を使うか、加熱処理しかないので、どちらを選ぶかは消費者が選ぶしかない。
●ワインを飲んで頭痛がする原因は酸化防止剤のせいかもしれない。
●ワインだけでなく、ジュースやお茶などに入っているビタミンCは保存料で、活性酸素を発生させる原因。
●安くて美味しいワインの正体は香料であること。
●ビオディナミワイン=自然派ワインは法律の規定がないため、添加物や香料が入っている可能性が高い。
今後もっとワイルドクラフトの概念が世間に知られていけば、酸化防止剤に代わる酸化を防げるものができれば、正真正銘のオーガニック=ワイルドクラフトのワインができる日もそう遠くはないかもしれませんね。